エンボス紙の装丁には飽きたので、もうちょっと濃い内容で革張りで鮮やかな挿し絵入りの本がどこかに落ちていないかと。
 字の大きさが文庫本くらいなのに厚さ5センチの、井上ひさし吉里吉里人』に及び腰。中島らもガダラの豚』はいけたのになあ。テンションが違う。あと同じくらいのでF・J・シムーンズ『肉食タブーの世界史』も読み中。もちろん進んでない。
 持ち出し難いのもある。電車の中で揺れたら隣の人の顔面に入るし。額から5センチの本を突き出した隣席者。反対側には車中で編み物をしていた女子高生の棒針が耳に刺さったサラリーマン。向かいには缶入り茶を飲んでいた少年が揺れた瞬間中身をぶちまけ、突然倒れたペースメーカーユーザーの周囲全員携帯電話所持に付き容疑者決定。8人座席にしたオバサンのマスカラを塗る形相があまりにも恐いと泣き叫ぶ子供達を避けながら『オレじゃない』と後ずさりを続ける赤ら顔の痴漢がむさぼり食うハンバーガーの臭いが充満し10分後の消化された臭いをも想像しもらいゲロ続出、明日からマイカーにしようそうしようと益々日本の重工業は発達し、黒い雪の降るこの街では誰もが憧れるホワイトクリスマス。