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2003.05.21.wed.shine
村上龍『希望の国のエクソダス』読了。
現代の中学生が全国で集団不登校を始めて、やがて情報技術を駆使し日本を変える話。
教育とか経済とか、この小説の主題だと思うんだけど、その辺り微妙に『なんかちがう』感があるんですが、取り敢えずそれはまた別の話にしときましょう。
読了して思ったのは、井上ひさし『吉里吉里人』の失敗と、『〜エクソダス』の成功ってのはどの辺りで別れたんかなあ、ということです。ちょっとやってることが似ているので。
吉里吉里 エクソダス
やったこと 立国 集団移住
お金 法定通貨 地域通貨
住んでたとこ 一地域 全国に点在
連絡方法 口頭 メール、サイト
仲良し こよし そうでもない
なんかこんな感じだったような気がします。
本の内容的には『吉里吉里人』の方が色んなことに密だった気がします。多分現代だったらやり遂げることもフィクションでなく可能なのではないかな。
ただ、『希望の国のエクソダス』で『日本には希望がないのよ』みたいなことを言ってましたが、希望ってなんなんですかね。独立することが希望なんだったらちょっと違うし。今だって結構、やりたいことある人は見合った努力すればそこそこ出来ると思うし。根本的に間違ってるって言うんだったら、それを正してそれからどうすんのかな。