西長堀へ行くつもりで「この道知ってる」「ここ通ったことある」と自転車を走らせていたら目前に大阪ドームが登場して「こんな道しらん」のになんでだろう。ついでに、目的地途中には普通に大阪ドームが見えたので自分の記憶ほど当てにならないものはないのではないか。

 湯気の立つように嫌悪感を出しながら、それでも本を読み終えて、ああ爽やかな文体の本も読みたかったなと気付く。
 ものごとを良くも悪くも言わず、削るような残酷さでありのままに伝えることができない。
 豊かではなくなったけれど少し強くなった。豊かで強くあるためにはどうしたらいいだろうか。
 とりあえず自転車で行ったことのないところへ。