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除夜の鐘なんてさっぱり耳に届かなかったものだから、煩悩が消えていない。しまった。
大人に置いて行かれた子供がいて、その子供のワガママなんだけれど、ほんの十五分、それでも寒い中にぽつんと立たされているのを見るのは悲しいような気がした。いや自分で勝手に悲しくて寂しくなっただけなんだけれども。
そうやって落ち込んで、落ち込んだことにまた落ち込んで、落ち込んだぶん跳ね上がったテンションが些か気持ち悪かった。あるまじき多弁。
一日は、例年のごとく着物で祖母宅へ。
濃い緑味の青の着物を今年初めて着てみたところ、意外に馴染んで驚いた。
私たちの家族もまた、ニュースであるような家族の問題がちらちらとあるけれど、今年はここ数年で一番多く人が集まって、にぎやかだった。