半村良「異邦人」

異邦人 (ノン・ポシェット)
選挙違反の罪を被った。逃げた先の都市は居心地が良くて住み着いた。閉じこめられた。閉鎖された地方都市。生きるために食物をめぐる争い。人が人を喰らう世界。果たして脱出できるのか……!
みたいな話。平岡化学や新製品の話はどこへ行ったのか。色つき人間って発想がイマイチ。権力の構成なんかも簡単すぎ。社会制度に詳しいわけでもなく、人情話というわけでもなく。とはいえテンポ良く、あっさり楽しく読みやすい。平成になってから書かれた話で、当時はそういう傾向だったのかな。