2003.02.bw

7日から10日くらいの間隔で毎回午前3時頃、
携帯の方に非通知着信があるみたいで。
3回くらいあって、無言で失礼極まりない。
当方日々安全には適当に備えてますけど、
階段から落ちたら疑われると思うので、
止めた方がいいよと言って上げたいけれども、
その前に連絡先を教えて貰いたいものです。

以前に胡散臭い営業電話を取ってから放置して、
そういう電話が如何に迷惑かと人と話していたら、
相手が怒ったらしく『殺す』とか『火つける』とか、
いやそれじゃあ営業にならんでしょうと思ったけど、
相手は名簿持ってて住所とか知ってるわけで。
まあコワイ。

丸く収まりたいものです。


2003.02.bv

他人の立ち位置も自分のそれも、
色んなとこで少しずつ均衡が変わって。
それは時間が流れれば仕方のないことだったり、
果たして時間だけの問題なのか分からなかったり、
かと思えば時間が流れても引っかかっていたり。
なんだか流される石みたいに思っているけど、
もしかして他人に責任を持たせてるだけか。
事実だけは単純で余計に掴みにくい。

降らない降らない一線で知らない人になるのは、
あまりにも勿体ないような気がするのだけど。


2003.02.bu

二人の視点から書かれた小説について、
3分で説明できるか否かという話をしていた折り、
『時間軸が移動』
などと物理系の人の前で言ってしまい、
理科的説明を求められ困窮。
理科自体は嫌いじゃないんだけど。

なーんか、言葉って難しんだけども、
喋ってると雰囲気だけ伝わったらいいや、
みたいな使い方もしてしまうわけで。
文法とかも日本語ですら間違ってるし、
方言は大阪と富山と標準混じってるし。
や、書いててもってのは重々承知ですが。
言い出したらなんで通じてんのか。
まあまあニュアンスに頼り過ぎです。
ちょいと反省。


2003.02.bt

いやーいやいやいや。
今月は外でも内でも波が荒かった。
遠ーくには見えてたんだけど。
あ、来るな、来る来る、と思ってたら来た。
大体の事ってそういう展開だけども。相変わらず。
そりゃあ先手打ったら勝てるわな。うん。
打てねんだもんなあ。まだ判断力がない。
その辺は経験がないと駄目だなもし。
あとなんだ、子供は嫌だ嫌だと思ってたけど、
自分だって幼いことには違いなくて。
百も承知してなかった。知らないことは恐ろしい。
なんっか、頭悪くて陰険で純粋なんで。
他人も多分。皆んな他人に見えないとこで潔癖。
ところで時間は敵なのか味方なのか、
どっちでもない、が正解なんだろなと思いつつ。
霧の出た山道を走ってるようなもんで。
奈良の遺跡で暦が見つかってたけども、
うん、時間を支配しようってのはちと凄い。
あの時代って効率よりも概念のが強そうだし。
んでも、昨日と今日が違うって、なんかなあ。
違うんだけど。さっきと今も違うんだけど。うん。
や、昨日担当の自分とか明日担当の自分とか、
居ないとは言い切れないんだけども。
寝てるとき交代で徹夜したらズレてって。
だって寝て起きたら考えること違ってたりするし。
はーエスエフ。ないない。
柔軟に突飛になってもなあ。楽しいだけだからなあ。
実家帰りたいなあ。


2003.02.bs.作家

この工房では色々な人がガラスを吹いている。
繊細な細工ものを並べている人も居るし、
ひたすら大きく大きくする人も居るし、
僕は街でよく見る形に仕上げるようにしている。
出来たものは全部オーナーの娘の物になる。
彼女はときどき気まぐれにやって来ては、
面白くない、と言って片っ端から壊してしまう。
面白くないものも砕けて散ると面白くなるらしい。
僕は苛つくような悲しいようなすっきりするような、
なんだか不明のどうしようもない気分になる。
僕達は彼女が帰るとまたガラスを吹きはじめる。
彼女の壊したもののどれもが大切だったけど、
花火みたいに光って散るガラスが僕は好きだから。


2003.02.br.わずらい

昨日、ナメクジラ患者が町の人口の半数を超えた。
幸子もどうやらナメクジラになったらしく、
今朝からずっと床を這っている。
玄関の方で鈍い音がしたので見に行ってみると、
どうやら三和土に落ちたらしい。
起こしてやると、もの言いたげにこちらを見るので、
わたしは自転車を出してきて、後ろに乗せた。
海岸沿いを走っていると、あちらこちらに人が居た。
ほとんどが家族や恋人なんだろう。
わたし達も同じように見えそうなので、
降りたがる幸子をなだめながら、
人気のないところを探して、やっとここへ来た。
砂浜を嬉しそうに這う幸子を眺めながら、
煙草に火をつけて薄曇りの空に吐き出す。
徐々に溶けていく幸子は、でも嬉しそうで、
わたしの目の前で海に流れていった。


2003.02.bq.穂積

子供は甘い。
甘いのでいつも指をしゃぶっている。
アメのように舐め続けると溶ける。
親は叱ったり指にカラシを塗ったりする。
ときどき放っておく親もいる。
そういう子供は溶けるのも早い。
賽の河原には子供が沢山居るが、
溶けた子供は三途の川へ流れ込む。
だから三途の川も甘い。

しばらく前に腰を痛めて今日も寝ている。
さっき息子が酒を持って帰ってきた。
仕事もろくに出来ない癖にどうしたと聞くと、
いい匂いがする川で酌んできたのだと言う。
息子も酔っている様子だったので、
そうかそうかと頷いておいた。


2003.02.bp.かにいもうと

あのう、人間の筋肉とか日常的には見ないんで、
もしかしたら他人さまもそうかなと思うんで、
きのう妹の、あれ二の腕ですか、あれをですね、
こう、ぱきっと取ってもらったんですね。
そしたらあの、カニですか、カニの身がですね、
みっちりたんまり詰まっていたわけでして、
あのだから、妹さんとかですね、
居たらちょっと頼んでみるといいと思います。
なんかね、凄いんですよカニ身がね、
いや妹なんですけど、カニなんですねあれは。
それでですね、二の腕の皮膚がありますね、
ぺろっと剥いてやると、ぞぞぞっと身が出ますんで、
一の腕って言うのかなああれは、
その辺を持ってお湯でしゃぶしゃぶしますとね、
これがもう花みたいに広がって大変きれいで、
いやこれが妹かとびっくりしましたねえ。


2003.02.bo

大人になると頼るより頼られることばかりだなと。
なんか人を見てて思う。
切られても致命傷にしちゃいけなくて。
問題には建設的具体的に対応していって。
子供は、自分が泣いたことに驚くくらい、
自分のそんな状態に気付いてすらなくて。

子供が出来て、大人が老人になったとき、
頼れる人になれてっかなあ。


2003.02.bn

ごねんめとごめんね。

花が咲いて実が生ったら枯れていくだけで。
そんなこた分かっちゃいるんだけど。
枯れることに美しさがあったとしても、
それでもやっぱり悲しい気がする。

いやいや、また新たな実を結ぶために、
枯れて土に還っていくのですよ。

あー、はふ。
実家に帰りたい。


2003.02.bm

あんまり喜ばしくないことが続くときは、
多分そのうち喜ばしいことがやってくるということで、
その喜ばしいことをもっと喜ばしいことにするために、
なんだか色々やっちゃった方がね。
うん、気分いいんじゃないかね。
そうだそうだ。
わー。


2003.02.bl

ストレスとワガママが合わさると、
信じられないくらい理不尽な振る舞い。
気を付けないと悪循環する元。
人のことも自分のことも。
と、自分のこともなんて言っておきながら、
なんか文章的に他人事なんですが、
あー。
怒鳴ったり力を使ったりしないで、
上手いこと公平になりたい。
でも今のとこ一番楽な位置のあたしが言っても、
どれだけの苦労かわかっちゃいない、とか、
それするくらいならこれ手伝え、とか、
余計なこと言うな、とか、
そんな感じなんだろうなあ。
下手に立ち入れんしなあ。
やだなあもう。


2003.02.bk

今日から自由の身。
と普段からふらふらしてる癖に嬉しく。
花粉症と咳とちょっとした用事だけ残ってる。
そういうのは無かったこととする。

どこ行ってもだけど、路上駐車・置物が多いので、
走行車の前を自転車で走ることがよくあり、
ドライバーごめんつつ車道は広くて走るのが楽しい。
自転車やったらどこでも行けんちゃうかと思う。
川の上だけ空が少し広い。


2003.02.bj

他人もなかなか情けないものらしい。
知らんかった。


2003.02.bi

吉本ばなな『白河夜船』読了。
彼女の作品は特に好きではないが元気になる。
物語の印象もさして強くはないが、なんかこう。
なんというか、妙な爽やか感みたいなもの。
そして作者も多分そういうものをかこうとして、
シンプルに実行して完成するのだから凄い。
相変わらずオカルトは否定する気はないが苦手。

村上龍五分後の世界』読了。
作品における『組み合わせ』の件が興味深かった。
と思っていたらあとがきで『物語の設計図』として
触れられていたので、少々浮いていたのかも知れない。
個人的にはそういう構成で為されるものも探したい。
作品は、小説として面白かった。
おそらく時期を変えて読むとまた別に面白いだろう。

ところで村上龍の本を適当に開いてみると、
段落がとても少ないのにギョッとする。
果たして読めるものかと読むと読めるので、
そういえば作家の句読点について、
分析したような本があったが村上龍はあったかな。
あとこの人はおそらく常用漢字しか使っていない。
上記作品中に、皆んなにわかる形で伝える重要性、
というようなことも書いてあり、ふーん、と思う。

本にも選るけれど今回は2日で3冊は無理そう。
桂米朝上方落語ノート』は半分いけるだろうかと。
残念ながら続きは来期に持ち越しだが、
桂枝雀もいいよと人から聞いたので、
米朝と枝雀の顔と名前を逆に覚えていたが、
なんか面白そうなので次は両方発掘したい。


2003.02.bh

おわかれが上手くなったのか、
あんまりなんにも期待しなくなったのか。
どうしようもなかったことは時間が経つにつれて、
どうしてあんなにどうしようもなかったのか、
甚だ疑問に思いかけた一歩手前、
横目で後ろを見たら悪かったとこがよくわかる。
まあそんなこともあるさな。

十年近く前に読んだ『まんが道』が夢に出たので、
睡眠は脳のデフラグというのも成る程成る程。


2003.02.bg


村上龍五分後の世界
桂米朝上方落語ノート』
吉本ばなな『白河夜船』
井深大『わが友 本田宗一郎
田辺聖子『川柳でんでん太鼓
岡部伊都子『お話ひとこと』
上三冊は今日借りてきて二日以内に返却。
下三冊は読んでる途中。
どーしよう。
んふー(鼻から)。にやけつつ困。

7階の窓からは空が広く見えるけど、
自転車をこいでると空が狭い。
気を抜くと電線に顔が引っかかる。
ブロントサウルスってどんな空見てたんかね。
なんか、ほんとになんもない空っぽい。
うん。それは素敵だ。


2003.02.bf

どうしたらいいか分からなかったことが、
こんなにぐだぐだしている瞬間に分かるとは。
これで幾つか削れたものの、
たぶん色々どっかにいった。
雨降りの日曜日はぼんやりとしながら、
夜には上がって明日の晴れを楽しみに。


2003.02.be.いんちき

吉田の瞼に糸屑がついていたので抓んでみた。
よく見るとそれは上の涙腺から出た糸だった。
とりあえず引っ張ったら、糸はどんどん出てきた。
吉田いわく、頭に詰まってたものが出ていく気分。
擦れて、ちょっと痛くて気持ちいいかな、と言った。
まだ糸は出てくる。吉田は目頭を赤くしていた。