2003.03.11.tue

 スティーヴン・キング『図書館警察』読了。読み出してから、洋モノは苦手だったことを思い出す。ホラーやファンタジーも苦手。つまりスティーヴン・キングが苦手ってことになる様。不気味なポスターの件は面白かった。タイトルは高得点だったので個人的にはその辺適当に弄ってくれたらいいかなと思ったけど、そうかこういう奴が居るからモチーフ先行ストーリー四散の話が出来るのか。
 川崎洋『ほほえみにはほほえみ』読み中。詩って苦手かと思ってたらそうでもなく。こんなんもあんのかあ、と。そういえば赤ちゃんには『ほほえみ返し』という技があり、ほほえむと大抵ほほえみ返してくれるらしい。これがなかなか大人には出来ない技だったりする。うひい。

 小さな頃からオッサンになりたかった。だから、目が覚めたらオッサンになっていた。電車の中だったけれど、誰も私がオッサンになったことについて興味がないようだった。さすがオッサンである。住之江に着くと私は競艇場へ向かった。オッサンと言えば賭だからである。浩太郎が五つの時までは『お船を見に行く』と言ってよく連れてきたものだ。俺はいつも通り二千円を摩って、拾った煙草を吸いながら歩く。こんなはずじゃなかった。浩太郎は元気だろうか。幸子の奴はどうしているだろうか。頭の悪い分、顔のいい女だった。あんな女は楽だろうな。にこにこしてる間に全部済んじまう。俺は幸子になりたかった。だから、目が覚めたら幸子になっていた。あたしは浩太郎になりたかった。僕は君枝ちゃんになりたかった。わたしは弟になりたかった。ぼくはお腹に帰りたい。

 幸子になった辺りから書くのが面倒に。続々人が死んでいく映画ってのはこういう理由なのか。