数日間、なにか上手くいかなくて、それはボタンを掛け違えたとも言えるし、歯車に糸屑が絡まったとも言える。ここでボタンをひとつ飛ばしたり、糸屑を取り払ってやったりできるかなと、ああやっと本当の四月が来るのかなと。そんなことをお風呂に入りながらぼんやりと思った。そうして、ぼんやり考えて、少しだけ「本質」とやらに触れて、直ぐ忘れた。多少、世間一般と離れていても、「本質」を考えないよりは全うだ。