秋田殺人事件

秋田殺人事件

不知火海

不知火海

読了。前者は第三セクターやら汚職やらの政治絡みで、後者は三池炭鉱の裏歴史を引きずる人々の話。「秋田殺人事件」はハードカバーで装丁画が好み。このあと内田康夫の浅見シリーズについて、政治物と歴史物の違いみたいなのを書こうとしたけど纏まらないのでまた今度。

カカシの夏休み

カカシの夏休み

は最後の一編「未来」が興味深かった。自殺した子ではなく、自殺された子の話。ほか二本も面白かったものの、「ライオン先生」はドラマ化されており、見てはいないけど竹中直人の顔が浮かんできて辛かった。

スメル男 (講談社文庫)

スメル男 (講談社文庫)

原田宗典の長編はこれ以外に一冊読んだことがあるかないかくらいで、結論としては短編の方が優れているように思う。上手く言えないけれど、「ぼんやりと濃い」特徴が、長編ではくっきりしてしまう。「スメル」は読む前まで「棲める」あたりかなと想像していたら、ストレートに「smell」で、異様に臭くなった男が冒険する話。腋の下が腫れるというのは昔読んだエッセイにもあったので実体験らしい。ところで臭いといえば大友克洋「MEMORIES」の「最臭兵器」とあともう一つくらい話がなかったか、思い出せない。