003:『愛を乞うひと』下田治美

愛を乞うひと (角川文庫)

愛を乞うひと (角川文庫)

 母に虐待されて育った娘が、優しかった父の遺骨を探す旅。
 映画の宣伝なんかで少し誤解していて、ずっと読もうかどうしようか迷っていたのだけど、寝る前の本としてふと手を伸ばしたら……午前五時。
 暴力描写や理解の範疇を超えた性格の悪い人の出てくる話はやっぱり苦手だったけれど、

暴力と恐怖でわたしを支配し、虐待した人間の心情など、理解しなくてよいのだと、やっと気がついたのです。わかってやらなくてよいのです。

の行で、なにか納得した。のだけれど、生身の人間はそうはいかないのだろうか。
 読んだ本の装丁は、映画の写真ではなくて血判の薔薇。
★★☆☆☆*1

*1:五つ星で「★=1」「☆=0」にしました。個人的には白星が勝ちだったり、フォントカラーが黒の場合は白が光って見えるから逆だったんだけど、はてなと基準が同じほうが見やすいなと。思っていたけどフォントカラーが黄色の場合、塗られている黄色のがカウントされるよなーというわけでこういうことに。過去分も変更。