大体、そんなに血が吸いたいのなら買いたまへと言いたい。
金がないのなら会社を作ればよろしい。人間は出資するぞ。
新鮮な血液を小分けにして仲間の蚊に売れば企業拡大も夢じゃない。
獲物を探す手間も要らず無駄に死ぬこともない。
こちらは刺されてかゆがることもない。いいこと尽くめではないか。
やがては蚊社会も発展して地域ごとに集まりができるだろう。
そしたらそこに殺虫剤をまいてやろうな。

教訓:人の血を喰いもんにしちゃぁろくな死に方しませんよ。

取り敢えず私の人差し指を刺して下さりやがった奴にはこの話をしたいが、
おそらく最初にこの事業を始めた奴はマルチな手法で大往生するだろう。
もしかしたら奴等の世界では大起業家として崇め奉られるかも知れない。
やはりおとなしくムヒなんかを塗ってほっとくのが一番だろうか。

かゆさに任せて色々考えたが、こうするのが人の道というものだ。
大体か弱い生き物に対する殺生などしていい筈がない。
私は生まれてこのかた、そのような行為は一切したことがない。
ああそれなのに何故この私を。何も私でなくてもいいではないか。