005:『空白迷路』福本和也

空白迷路 (徳間文庫)

空白迷路 (徳間文庫)

 六年前、女が失踪した。事故のショックで当時の記憶が戻った彼女はしかし、六年間の記憶を失っていた。
 要素が多く展開も早い。変形ハードボイルドとしては面白いかもしれない。法律などが絡むあたりはリアルタイムでないことが足枷になっている。
 悪いことを考えるとき、こんな悪いことは私の手によっては実現しない、とも思う。ところが、考えもつかないような悪いことが現実世界では起こっているので、小説に書かれている程度の「悪いこと」なら大抵は日常の端に見ることが出来るのだろう。
 知識と浅知恵では意味がない。
★☆☆☆☆