011:『軍靴の響き』半村良

 他国から強引に利益を得ようとする国家。戦争の予感。自衛隊の拡大、軍隊化。
 実は今だって小説の中とそんなに変わんないんじゃないかと思いつつ、危機感がないのは私もまた豊かに育ったからなんだろう。ハイ思考停止ー。じゃあどうすりゃいいんだって、民は民らしく搾取され続けんだ。
 現状維持のための行動と言ってしまえば、力を手に入れるための行動に比べて魅力もなくて。戦時でなくても現状は本当は脆くて、それを確かなもの、保証されるべきものと思うのに。「兵隊の予備登録したら内定あげます(一流企業)」って言われたら、しちゃうんだろう。
 ちょっとズレるけども。家族ぐるみのお付き合いをしている長野県の農家から、とても美味しいアスパラガスをいただきました。色んな料理にして家族で食べて、まあ美味しかったけど殊更幸せとかそういうんでもなくて、ふつうにいい感じでした。で、頭の中で戦時にしてみました。えぐれ凹んだ。私たちはそれなりに強くやっていけるだろうとは思うけれど、ただ生を繋ぐだけが人間のあり方ではないよ。ってズレまくり。もう全然本編と関係ないし。
 小説の話。えーと、黄金とかムー大陸とか出てこなかったので良かったです。
★★★☆☆